今秋他界した父について、たくさんのお悔やみとお参りのお申し出をいただきまして、心より御礼申し上げます。
師走朔日の好天のなか、無事納骨が済んだことをご報告させていただきます。
彼から受け取ったバトンを手に、シンスケは101年目に向かって進んでいきます。
酒は浮世の憂いを払う慰めのひとつ。
皆様の良い晩酌をこれからもアシストすべく努力する所存です。
今後ともお見知りおきを。
当代
<法要の裏話>
当家の墓は、故人が勝手に企画・デザイン・製作依頼。
ご満悦な顔で我々に領収書だけ寄こすという、まさしく【身勝手】にリニューアルされたものです。
納骨の際、親類からデザイン意図を問われて困っていたら、石屋さんがおずおずと挙手して【故人のこだわり】について説明してくれました。
「墓碑として立つ2本の石柱は「六方石(ろっぽうせき)」といって、自然に六方形で形成された珍しい素材です。中国産のものは入手しやすいのですけれど、故人は国産(産地は長野、山梨、長崎)にこだわられたので、大小ちょうどよい組み合わせを探すのに2年ほどかかりました。
土台の石にも相当にこだわられておりまして、こちらは「恵那錆石(えなさびいし)」という花崗岩です。経年で錆びたような風情が出るのが特徴でして、上面は錆びやすいように凹凸処理し、側面は錆びず白いままであるように表面を研ぐ処理がされています。
墓碑の「空風火水地」という言葉は仏教における五大要素から取ったそうです。書家の名前まではうかがっていませんが、書体が魅力な方の作品らしいです。
正直に申し上げて、墓の意匠にこだわる方は多いのですが、石そのものにここまでこだわった方は初めてで。石材屋冥利の仕事をさせていただきました」
とのこと。
たしかにイカすデザインではあるので文句を言いきれず、「生涯かけて、年金の10%を家の財布に返済するように」という大岡裁きの沙汰を言い渡す留まりました。
結果的には、あまり回収できませんでしたが。
我々家族が入居する際には、「三途の川の渡し賃」の先払い分として閻魔様にカウントしていただけると思います(白目)